奪還!キャメロット城 ストーリー
Last-modified: 2015-06-09 (火) 04:13:47
※○○にはユーザー名が入ります この日はアーサーがケルトの神を呼び、 アーサーは何日も前に手紙であなたの元へ招待状を送っており、 このパーティーは、ケルト地域内の様々な国に所属する神様達と親交を深め、ケルトの神同士の結束を強めるためのものだった。 案の定、あなたは早く到着しすぎたためにパーティーの準備に付き合い、 「大勢集まってくれたことに感謝しよう!」 アーサーの声が城内に響く。 ○○やアーサーが華やかなパーティーを楽しんでいる頃。 「まさか、この日を狙ってたんじゃないよな……?」 苦虫を噛み潰したような表情で円卓の騎士の一人――トリスタンが呟く。 「そのまさかかもしれねぇ。なんたって、ケルト中の神が集まってるんだからな」 トリスタンの呟きに答えるのは同じく円卓の騎士の一人ガウェイン。 「こういうときのためにオレたちがいるんじゃないですか。大丈夫ですって!」 明るい声色で答えるのもまた、城外警備にあてられた円卓の騎士の一人パーシヴァルだった。 「ランスロットとガラハッドは、共にアーサー様とグィネヴィア様の警護にあたっているんだろう?」 トリスタンは敵を――いや、敵群を一瞥する。 「結構な数ですね。腕が鳴るってもんです!ねぇガウェインさん」 パーシヴァルは力試しと言わんばかりに、ぐっと自身の神具を握りなおす。 「……」 パーシヴァルが答えのないガウェインの顔色を伺うと、彼は何時になく真剣な表情で敵群を観察していた。 「ガウェイン、様子がおかしい。……君もそう感じているんだね」 トリスタンもまた、この異常事態を肌で察していたのだろう。 「……わかってるよ」 そう指示をし終わるとガウェインは一歩前へ出る。 「待ってくださいよ、ガウェインさんはどうするんですか?! 一人でどうにかなる数じゃ……」 パーシヴァルの腕を引くトリスタンの手は、いつになくきつく握られていた。 「かっこつけちまって悪いな、じゃあ後で適当に落ち合おうぜ」 そう言ってガウェインは敵の波に向かって駆け出した。 パーシヴァルは足に自信があった。 「敵襲だと……?! どういうことだ。詳しく聞かせてくれないか、パーシヴァル!」 パーシヴァルを迎えるアーサーはすぐさま状況を伺う。 「それが、オレも何がなんだか……とにかくいきなりでした!」 パーシヴァルの表情に焦りと悔しさが滲む。 「わかった、皆を避難させることが先決だ。退路は……」 アーサーが周囲を見渡すと、トリスタンが手をあげ自分の位置を知らせる。 「アーサー様、こちらです! 裏口ならまだやつらに気づかれていないようです」 ところで、ケルト狭湾、影の国からの客人――クーフーリン、モリガン、スカサハらは、 「敵襲ってことはさぁ、その敵をやっつけちまえばいいんじゃねーのか?」 顔を見合わせた三人は各々の武器を手にし、退路とは逆の方向を向く。 「ねぇキミたち」 振り向くと、白い竪琴を手にした少年姿の神――オェングスが立っていた。 「オェングス! アンタも来ていたんだね」 そしてオェングスにフィアナ騎士団の一人、ディルムッドが恭しく報告する。 「オェングス様、この場は一旦引いたほうがよいかと思われます」 「そう、ありがとうディルムッド」 オェングスはキャメロット城の窓を見遣る。 「何やってんのディルムッド! と、オェングス様たち! 早くここから脱出しないと捕まっちゃうでしょ!」 二人が逃げていないことに気がついたグラーニアが退路で手招きする。 「スカサハ、オェングス、他のみんなも早く逃げてちょうだい。長くは持たないわ」 その呼びかけを聞き、スカサハは自身の得物の大斧を肩に担ぐ。 「なるほどね……確かに、敵の規模も勢力もわからないってのは危険か……」 スカサハはあごに手を当て、少し考えるような態度をとる。 「なぁアーサー、マーリン! この売られたケンカ、買うんだろ?」 突然の客人からの提案に、アーサー一同はあっけに取られている様子だ。 「ん?アタシ変なこと言ったか?」 顔を曇らせるアーサー。だがその隣のマーリンは対照的な顔をしていた。 「アーサー、あなたはこのパーティー何のために開催したの?」 マーリンは自信に満ちた顔でアーサーの肩をぽんと叩く。 「ランスロット、ガラハッド。二人ともいるかしら!」 マーリンが円卓の騎士を呼ぶと、すぐさま名を呼ばれた騎士二人が駆けつける。 「マーリン、何かあったか」 長髪の騎士は円卓の騎士の中でも最強といわれる腕を持つランスロット。 「少しお願いがあるの。いいかしら? あなたたち二人で何者が攻めてきたのか調べてほしいのよ」 マーリンが指を差すと、笑顔でクーフーリンとスカサハが手を振り、モリガンはお気に入りのぬいぐるみで顔を隠す。 「あれは客人ではないのか?」 マーリンの押しの強さに、ランスロットもそこまで言うのなら構わないと折れ、 そしてマーリンの傍らでグィネヴィアも呟く。 「……マーリン様、私も何かお手伝いがしたいです!」 グィネヴィアは護身用にとアーサーに持たされたエストックを握り締める。決意は固いようだ。 「わかったわ、グィネヴィア。あなたはランスロットとガラハッドについて一緒にお城を調査してもらえる?」 ありがとうございます、と深々と礼をし、グィネヴィアはランスロットとガラハッドに駆け寄っていった。 「さて、脱出してからが本番だな……君はどうするんだ?」 アーサーはあなたの方へ体を向ける。 「私たちはこの戦い、負けるわけには行かない……君も力を貸してはくれないだろうか」 アーサーはあなたに手を差し伸べる。 「頼もしいよ、ありがとう○○!」 それからすぐのこと、ガシャンと音を立て扉が破壊された。 しんと静まるキャメロット城の内部。 「占拠されてから数日しか経っていないというのに、こんなにも変わってしまっているとは……」 アーサーも驚きの色を隠せないようだ。 「慎重に進みましょう、アーサー様。どこで何が現れるかわからないですから」 ウーゼルはドラゴン二匹を従え、先を歩く。 「明かりがあったら、もう少しよく見えそうなのにー……」 グラーニアは不満そうだ。 「パーティーはまた執り行えばいいさ。なんなら妖精国で開いたっていいよ。ねぇディルムッド」 オェングスは笑顔で答える。ディルムッドは普段どおりオェングスのすぐ傍で答えた。 「パーティー?それだったらまたケルトの神様呼んでくれよ!」 クーフーリンとモリガンの要望を聞いて、オェングスはもちろん、任せてくれと答える。 「妖精国のパーティーだなんて、とても素敵ですね!是非私達も招待していただけませんか?」 グィネヴィアの笑顔がいつになくまぶしいのか、ランスロットは目線を外す。 「なぁウーゼル」 スカサハにそういわれてもなお、○○は気配を感じることはできない。 「囲まれているな」 そのウーゼルの一言を皮切りに、わさわさと隠れていたモンスターが飛び出し、一斉に襲い掛かってくる。 「どこに隠れてやがったんだ、こいつらは!」 円卓の三騎士は戦いやすいよう素早く陣形を取り、 『へれぐ!コッチ!ミツケタ!』 「あ、あなたたちは……!スヴェイとヘレグですね?!」 ナビィが指しながら敵の名前を呼ぶ。 『お、やっと覚えたな?スカスカスポンジちゃん』 ヘレグに憎まれ口を叩かれると、恥ずかしかったのかナビィの顔が赤らむ。 『へれぐ、おなかヘッタ!はやくアソボ!』 「な、何の話をしているんですか……?!」 ナビィの顔が青ざめる。 『さーて、姉さんの料理は置いといて…』 にやりとヘレグが笑みを浮かべる。 『アソボ!』 スヴェイが両手を上げ、こちら側に手を振りながら無邪気に笑う。 「その勝負、私が引き受けよう!」 背中側から、堂々とした声がはっきりと聞こえた。 「アーサー様!?」 ナビィや他の神達が驚くのは無理もない。 「アーサー駄目よ、一人で戦う相手じゃないわ!」 マーリンもすぐさまアーサーを止めようとする。 「ここは私の城だ。しかし、今は私以外の者達が戦っている」 堂々と言い切ったアーサーの表情が、神様にはこの暗い城内でひときわ明るく輝いて見えた。 『おっ、やったなスヴェイ。かの有名なアーサー様が相手してくれるってよ』 先ほどまで笑っていたかと思うと、スヴェイはあっという間にアーサーと距離を詰め、彼が乗っている異形が牙をむく。 「アーサー!」 アーサー様、とモンスターの相手をしている円卓の騎士達が言うよりも先にウーゼルが叫ぶ。 『おっと』 音もなく近づいてきたヘレグに反応できず、鋭い蹴りを受けたウーゼルが吹き飛ばされ、壁に激突する。 「ふん……不意を突くとは、大層な戦術じゃないか」 大量のモンスターと戦っている神様達がこのやり取りを聞いているのかは定かではなかった。 『おーおー、怖い顔すんなよ。どうだ?オレに興味出てきたろ』 ウーゼルの連れるドラゴン二匹が、ウーゼルに呼応するように咆哮する。 「○○、走って!二人を援護してあげてちょうだい!」 マーリンがあなたに向かって叫ぶ。 ――暗い城内。 アーサーとウーゼルはどこに消えてしまったのだろうか? まもなく、さらさらと静かに砂が零れ落ちるような音が後ろから聞こえてくる。 『待っていたぞ』 彼女が肩から大剣を振り下ろすと、ずしりと音を立て床が割れる。 『改めて名乗らせてもらおう、私はナイトシア=クレプシードだ』 ナイトシアはナビィへの質問に、口数少なく淡々と答える。 『冒険者よ、私が出向いたのは他でもない……お前に一騎打ちを申し込むためだ』 突然の出来事に焦り戸惑うナビィ。 『いい武器だ』 兜の奥でナイトシアが微笑んだように思えた。 |